2012年11月1日(木)
君が代控訴審 「全処分取り消しを」
判決受け原告団会見
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都立学校教員への「日の丸・君が代」強制をめぐる高裁判決を受けて原告団は31日、都内で記者会見を行いました。減給以上の処分が取り消されたことに「石原知事のもとでの教育破壊に歯止めをかけた」と喜びを見せつつ、「日の丸・君が代」強制が憲法違反であることが認められなかったことを批判。最高裁で違憲判決をかちとりたいとの決意を語りました。
停職処分が取り消された原告の福嶋常光さん(63)は「卒業式は3年間頑張ってきた生徒の努力をたたえるとともに、生徒たちを育ててきた先生をねぎらう一番喜ばしい日だった。それが一番重苦しい日になってしまった。これからもこの重苦しい日が続くのかと思うと心を痛めます」と、「日の丸・君が代」強制によってもたらされた現場の苦労を明らかにしました。
「学校現場は非常に息苦しいものになってしまった。生徒を育てていくことが中心ではなくなってしまった」と語った原告の現職教員の今田和歌子さん(56)は、減給は取り消されたものの、戒告処分は残されました。「うれしさ半分。全ての処分が取り消される日が来てほしい」
澤藤統一郎弁護士は、「判決は憲法判断に弱点を持っている」と指摘。平松真二郎弁護士は「都が違法な処分を重ねてきたことに対する判決」と一部勝訴を評価しつつも、「われわれは懲戒処分そのものが、思想・良心の自由を保障する憲法19条を侵害するものだと主張してきた」と戒告処分が取り消されていないことを批判しました。