2012年10月31日(水)
石原新党との連携めぐり変転
消費税・原発“小異でない” みんなの党江田幹事長
石原新党との連携をめぐり、みんなの党の対応が二転三転しています。
みんなの党の江田憲司幹事長は30日の記者会見で、石原慎太郎東京都知事が結成する新党との連携について「(政策の)小異を捨てることはやぶさかではないが、消費税や原発の問題は決して小異ではない。こうした問題をゆるがせにして連携することはない」と述べ、少なくとも消費税と原発政策の一致が必要との考えを示しました。
みんなの党が「脱原発」「消費増税反対」を掲げているのに対し、石原新党の母体となる、たちあがれ日本は2012年版政策宣言で「原発容認」「経済政策と消費増税の一体的推進」をうたっています。
同党の渡辺喜美代表は、28日のテレビ番組で石原新党との連携について「基本政策、政治理念が一致していればいい」などとし、「(石原氏は)中央集権体制打破と言っている。私が言ってきたことと全く同じだ」「(小異を)捨てるのは当然だ」と語って連携に前向き姿勢を示していました。江田幹事長の会見発言は、これを否定するものです。
もともと渡辺氏は、石原氏の都知事辞職・新党結成宣言を表明した会見翌日の26日には、消費税をめぐる考え方の隔たりを例に、石原氏との連携に慎重な考えを示していたのです。
石原氏は同じ26日の会見で、たちあがれ日本と、維新の会、みんなの党の「大連合」を呼びかけ、「原発や消費税は大事だが、ささいな問題だ」と言い放ちました。しかし原発推進、消費税増税を公言する石原氏とたちあがれ日本との「大連合」が可能なら、民主・自民との「大連合」と大差ありません。石原発言に対し「原発と消費税が“ささいなもの”とは、どういう感覚なのか」という批判が広がっています。
「ささいなもの」という石原氏の認識を「小異」としてみんなの党が共有すれば、世論の批判を浴びるのはまぬがれません。これを意識してか30日の会見で江田幹事長は、「たちあがれ日本の政策そのままであれば、わが党とは相いれない部分が多い」と指摘。連携の可否は「新党がどういう基本政策を打ち出すかにかかっている」と語りました。
「維新」が選挙互助会化して失速、石原新党が浮上、「第三極」大連合構想の打ち上げ―。次々と目新しい動きが出ては、たちまち混迷に落ち込むのは、浮き草政治に対する強い国民の不信があるからです。もともとみんなの党は、極端な新自由主義の推進を掲げ、環太平洋連携協定(TPP)参加促進、労働者派遣法改正反対など、大企業本位の政策という点でもっとも徹底した立場です。 (中祖寅一)