2012年10月31日(水)
難病医療費助成の対象
56疾患 → 300〜400へ
厚労省対策委 重症度議論も
厚生労働省の難病対策委員会(金澤一郎委員長)は30日、今後の検討の方向性として、法制化を視野に入れた難病対策改革の全体像の案を示すとともに、医療費助成の対象疾患数が300から400となることを了承しました。
医療費助成の対象疾患は現在、56疾患。疾患数は増えますが、対象患者は、「対象疾患にり患している人で重症度が一定以上等であり、日常生活または社会生活に支障がある人」としました。
改革の基本理念は、難病の治療研究を進めるとともに難病患者の社会参加を支援し、地域で尊厳を持って生きられる共生社会の実現をめざすとしました。
新たな制度の構築は、(1)難病の効果的な治療方法を見つけるための治療研究の推進に資する(2)他制度との均衡を図りつつ難病の特性に配慮する(3)官民が協力して社会全体で難病患者に対する必要な支援が公平かつ公正に行われる(4)将来にわたって持続可能で安定的な制度とする―ことの4原則に基づくとしています。
改革の柱として▽効果的な治療方法の開発と医療の質の向上▽公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築▽国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実―をあげています。
医療費助成の対象となる疾患数は、現在国が行っている「難治性疾患克服研究事業」(病気の原因究明や治療法確立のための事業)の対象482疾患を分類し、300から400疾患となることが示されました。対象疾患となる要素は、(1)希少性(2)原因不明(3)効果的な治療法未確立(4)生活面への長期にわたる支障―に加え、一定の診断基準が確立していることだとしています。(表)
委員からは「対象疾患に診断基準の確立をいれると希少疾患が対象外になりかねない。疾患概念があるか否かを条件とした方がいいのではないか」などの発言がありました。
厚労省の担当者は「個別疾患名などは、法制化後、政令で決める」と述べました。
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