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2012年10月28日(日)

5中総決定の用語解説 2

第1章

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 原子力規制庁

 原子力規制委員会(委員長以下5人)は、経済産業省原子力安全・保安院と内閣府原子力安全委員会に代わる、原子力の安全規制を担う組織で、新しい安全基準や事故が起きた場合の原子力防災指針などをつくります。緊急時には立ち入り調査など大きな権限が与えられます。法律で委員長などの人事は国会の同意が必要ですが、政府は首相の任命権だけで9月19日に発足させました。原子力規制庁は、その事務局機能を担う組織。発足時の職員455人の約8割が保安院からの横滑りで、規制庁の初代長官は池田克彦・前警視総監。幹部には、原子力を推進してきた資源エネルギー庁の課長らが名前を連ねています。

 

「日韓議定書」、「第1次日韓協約」

 1904年2月、対露開戦にあたって、日本はソウルに軍隊を進駐させ、軍事的制圧下で韓国に「日韓議定書」の調印を強要しました。「日韓議定書」では、韓国内での日本軍の行動の自由や日本軍への協力、軍事上必要な土地の収用、韓国の内政・外交への日本の介入を韓国に認めさせました。これが韓国植民地化の第一歩となりました。

 同年8月には、韓国に対し、日本が推薦する財務・外交顧問を雇うとともに、条約締結など重要な外交案件に関して事前に日本と協議することを義務付ける「第1次日韓協約」の調印を押し付けました。これにもとづき財務顧問には大蔵省主税局長が、外交顧問には在米日本公使館名誉参事官などを歴任した親日家のアメリカ人が就任しました。

 

1910年の「韓国併合」

 日本は日露戦争終結後、1905年11月の「第2次日韓協約」で韓国の外交権を全面的に奪い、統監府を設置して、韓国を事実上の保護国としました。1907年7月の「第3次日韓協約」と付属の覚書では、内政全般の統治権を奪い、韓国軍の解散、司法・警察権の掌握などを定めました。日本は韓国国民の抵抗を弾圧しつつ、ソウルに軍を集結させ、1910年8月、「韓国併合に関する条約」を強要して、韓国を「保護国」から植民地にしました。

 歴代自民党政権は「韓国併合条約」について、日韓基本条約(1965年)で「もはや無効である」ことで合意し、問題は決着済みとして、不当・不法なものだったことを認めず、民主党政権も基本的にこの立場を踏襲しています。

 

旧ソ連と中国・毛沢東派という二つの大国による無法な干渉

 ソ連のスターリンは1950年、日本共産党を分裂させて北京に分派の司令部をつくらせ、日本に武装闘争を持ち込んで党に大きな打撃を与えました。党は分裂を克服し、自主独立の立場で綱領を決定しましたが、ソ連共産党は日本共産党をソ連いいなりの党にするため、64年には内通者を使って、日本共産党の直接的な破壊活動を始めました。

 66年には、中国の毛沢東派が、武装闘争を拒否する日本共産党を「四つの敵」の一つにあげ、全面攻撃に乗り出しました。日本共産党は全党の団結で二つの干渉を跳ね返しました。ソ連共産党は79年、干渉の誤りを認めました。98年には中国共産党が干渉を認め、「真剣な総括と是正」を表明して、両党関係が正常化されました。このたたかいは、科学的社会主義とは似て非なる理論を打破し、マルクス、エンゲルスの本来の理論と精神を現代に生かす契機となりました。

第2章 

増税推進の各党が、いっせいに巨額の公共事業ばらまき計画を立てている

 自民党は、「国土強靱(きょうじん)化基本法案」を国会に提出し、今後10年間で200兆円の事業を行う計画を立てています。公明党も「防災・減災ニューディール法案」を発表し、10年間で100兆円の事業を提唱しています。民主党議員などが参加する議員連盟が発表した「日本再生計画〜ビジョン2030〜」は、2030年までに160兆円の事業を行うとしています。消費税増税法案は、これら3党の談合によって成立しましたが、この談合の中で法案が修正され、附則に「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する」という規定が追加されました。「防災」を口実にして、消費税増税分を公共事業ばらまきに使うのが狙いです。

 

「維新の会」は、「消費税の地方税化」「地方交付税の廃止」を掲げています

 「維新の会」が発表した「維新八策」には、「消費税の地方税化」「地方交付税制度の廃止」が掲げられています。今の消費税は税率1%分が地方消費税で、残りの4%分、約10兆円が国税です。消費税を全部地方税にすれば、今の税率でも地方税が10兆円増えます。一方、地方交付税制度を廃止してしまうと、いま国から地方に配分されている地方交付税17兆円と、地方交付税の代わりとして地方が発行し、将来の返済は国が負担することになっている「臨時財政対策債」6兆円、合わせて23兆円の地方財源が失われます。地方にとっては、差し引き13兆円のマイナスとなり、これを補うためには、約5%の消費税率引き上げが必要になってしまいます。

 

民自公3党が強行した社会保障制度改革推進法

 今年6月、民主・自民・公明が、消費税増税法案を通すための密室協議のなかで案文をつくり、8月、増税法案と一体に可決した法律。国・地方の社会保障費を抜本的に削減するため、「社会保障制度改革国民会議」を設置し、「改革」案を策定するよう国に義務づけています。「改革」の基本理念として、国民の自己責任と家族の支えあいを強調し、社会保障は国民同士の“助けあい”の仕組みであるとして、国の責任を放棄。国保料(税)の引き上げ、健康保険の使えない混合診療の全面解禁、介護サービスの切り捨てや利用料値上げなどにつながる条項も盛り込まれています。国民の生存権保障を国の責務とした憲法25条の立場を否定し、各制度の大改悪を推進する、“社会保障解体宣言”です。

 

生活保護バッシングと切り捨て

 人気芸能人の親の生活保護受給を、自民党議員が問題視したことを契機に、生活保護を“不正受給だらけ”のように描く報道が大量に流され、民主党政権、自民・公明、「維新の会」などが競いあって、保護費削減、保護の有期化、親族への「扶養」押しつけなどを主張する事態となっています。これら生活保護「改革」のメニューは、小泉内閣以来、歴代の政権が導入を検討してきたもの。一連のバッシングは、社会保障費削減を狙ったキャンペーンにほかなりません。この間、生活保護受給者が急増している大本には、雇用破壊などによる貧困の深刻化があります。それを解決しないまま生活保護制度を切り縮めても、孤立死や餓死が増えるだけです。


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