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2012年10月26日(金)

都政投げ出した石原知事

国政での悪政推進は許せない

新党表明に批判の声

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 石原慎太郎東京都知事が25日、任期を2年半も残して知事職を投げ出し、「石原新党」設立、次期総選挙に立候補することを表明しました。福祉切り捨てなど都政で悪政を推進してきた石原氏が、都政運営に行き詰まったあげく、国政で憲法の全面改悪などの持論を実現しようとするもので、国民利益とは相いれないものといえます。(岡部裕三)


 自民党国会議員、閣僚を務めた石原氏は1999年、「東京から日本を変える」を売りものにして初当選しました。しかし、目玉の米軍横田基地返還公約は就任早々に取り下げ、2007年知事選で掲げた低所得者への個人都民税の減税公約も口先だけでした。

 知事就任直後に「何が贅沢(ぜいたく)かといえば、まず福祉」と雑誌に書き、革新都政(67〜79年)がつくりあげた高齢者の寝たきり手当など“都民の宝の福祉”を次々に廃止し、高齢者福祉を全国最低水準に大後退させました。

 「知事は都営住宅の新築をやめ、都立小児病院や職業訓練校まで統廃合し、防災対策予算も減らして都民のセーフティーネットを弱体化させた」と批判する元幹部もいます。

 その一方で、破綻した臨海副都心開発は継続、3環状道路、「都市再生」など財界要求は重点施策に位置付け、東京外郭環状道路の凍結解除を国に迫り、着工させました。高濃度土壌汚染地への築地市場移転を推進してきました。

 週2〜3日しか出勤しない石原氏は、側近やお気に入りの幹部を副知事、特別秘書、教育長、局長に起用し、側近の専横政治をすすめました。

 1000億円を出資して設立した新銀行東京は大赤字で855億円を毀損(きそん)させ、16年五輪東京招致では約150億円の税金を投入し落選、知事四男を重用した東京ワンダーサイト事業などをトップダウンで押し付け、石原夫妻や側近らの豪華海外出張など税金の浪費を重ねました。

 「私が仕えた歴代知事の中で、これほど側近を都に採用した知事は石原氏以外いない。都政は石原ファミリーに食い物にされてきた」と元局長は振り返ります。

 石原氏は、重度障害者に「ああいう人っていうのは人格あるのかね」とか、「命がけで憲法を破る」、核武装、女性蔑視、東日本大震災の津波は「天罰」だと発言するなど、暴言を繰り返しました。

 都立学校に日本の侵略戦争を美化した「つくる会」系教科書を採択、「日の丸・君が代」を強制して服従しない教職員を処分するなど、全国でも異常な教育の管理統制を強めました。

 会見放送を見た元側近局長はいいます。

 「いま東京都は防災や高齢者対策など、やるべき課題が山積しているのに、石原知事は新銀行や五輪に多額の税金を投じて都に多大な損失を与えた。都政を投げ出した石原知事が新党をつくっても成功するはずがない」


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