2012年10月25日(木)
「慰安婦」強制使役が本質
吉見中大教授 橋下市長暴言を批判
大阪市で講演
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橋下徹大阪市長の日本軍「慰安婦」問題をめぐる暴言に反論するとして、吉見義明中央大学教授を招いた学習会が23日、大阪市で開かれました。主催は日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク。
橋下市長は、“軍や官憲による暴行・脅迫を用いた強制連行の証拠がない”“(慰安所の軍管理は)公安委員会が風俗営業を管理するのと同様”などと主張しています。
吉見氏は「木を見ず、森も見ない議論」と批判。軍・官憲による暴行・脅迫を用いた連行は数多くあり、戦後、日本で行われた裁判でも事実が認定されていると指摘しました。
朝鮮・台湾でおこなわれていた業者による連行も、業者は軍、総督府が選定し、誘拐や甘言、人身売買をもちいて連行したのであり、「強制連行」だと指摘。当時でもそれらは犯罪であったにもかかわらず軍は業者を逮捕せず、女性たちを解放しなかったと述べ、橋下市長は「強制」の定義を極小化していると批判しました。
慰安所を設置、管理、維持、拡大したのは軍であることを軍の公文書で示し、「風俗営業への公的管理と同一視するのは軍の責任を否定するもの」と指摘。本人の意思に反して性奴隷化された「強制」の実態を性病検査を行った軍医や慰安所を訪れた記者の記録から明らかにしました。
吉見氏は「強制連行、強制使役が問題の本質」とし、「軍の犯した責任は国家の責任」と指摘。国家としての明確な認知と謝罪の必要性を強調しました。