2012年10月24日(水)
橋下市長の日本軍「慰安婦」暴言
吉見中大教授が抗議の会見
日本軍「慰安婦」問題で暴言を繰り返している橋下徹大阪市長に抗議するため吉見義明中央大学教授が23日、市民団体「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」と市役所を訪れ、橋下氏の吉見氏に関する発言は事実誤認だと撤回と謝罪を申し入れました。9日から面談を要請していましたが橋下氏は拒否しました。
撤回を求めたのは、橋下氏の「吉見さんが強制連行の事実までは認められないと発言」した(8月24日の囲み取材)という発言です。吉見氏は会見で、「私は日本軍『慰安婦』制度は軍がつくり、維持・拡大していった『性奴隷制度』で、被害者の女性は強制連行され、強制使役されたと述べてきた」と指摘。「橋下氏の発言は私の人格を否定し、名誉を棄損するものだ」と批判しました。
橋下氏の立場は、軍や官憲が、暴行や脅迫を用いて女性を連行する場合(=略取)以外は強制連行ではないとし、それはなかったというものだが、中国や東南アジアでは数多くあると話しました。
また、日本・朝鮮・台湾から女性たちを略取・誘拐・人身売買によって海外に連れていくことは当時でも犯罪で、誘拐や人身売買も強制連行だと指摘。実行者が業者でも軍や官憲が業者を選定して女性を集めさせたのであり、違法が判明しても業者を逮捕せず、女性たちを解放しなかった軍には重い責任があると強調しました。
また橋下氏の「(他国も)同じようなことをやっている」という主張には「仮にどの国がやっていたとしても人権に反する」「軍が直接介入した(日本のような)ケースは多くない」と述べました。
吉見氏らと面談した市政策企画室秘書部の大谷豊係長は「慰安婦の問題に関して大阪市は行政的に扱っていない」と発言。市民からは「市長が発言しているではないか」と批判の声があがりました。