2012年10月24日(水)
田中法相が辞任
問われる首相の任命責任
外国人献金や暴力団との交際が発覚した田中慶秋(けいしゅう)法相は23日、秘書官を通じて野田佳彦首相に辞表を提出し、受理されました。田中氏は辞任の理由について「体調不良」と説明。辞任の記者会見は行わず、「体調が許さず、法務行政、国会停滞など国民生活へご迷惑をかけることは忍び難く、職を辞する決断をした」とのコメントを発表しました。
藤村修官房長官は23日の記者会見で、辞任の理由として、外国人献金や暴力団との交際との関連は否定。「体調に関しては(法相)本人が判断した。それをもって(首相の)任命責任ということにはつながらない」と強調しました。
民主党政権での閣僚辞任は8人目で、野田内閣では2011年9月の鉢呂吉雄経済産業相以来2人目。1日の内閣改造から1カ月もたたない中での閣僚辞任により、首相の任命責任が問われるのは必至で、政権には大きな打撃です。
日本共産党の穀田恵二国対委員長は23日の記者会見で「(田中氏が)辞めればいいという問題ではない。野田首相の任命責任は重大」と述べました。
首相は23日、田中氏の辞任について、「任命した閣僚が職務を全うできなかった意味においては、任命権者の責任はあると思う」と首相官邸で記者団に語りました。また、「内閣全体で職務にまい進することで責任を果たしていく」と述べました。
政府は、法相の臨時代理に小平忠正国家公安委員長を充てる人事を決めました。首相は同日午後、後任の法相人事について「早急に決める」と述べ、29日召集の臨時国会を前に人選を急ぐ考えを示しました。