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2012年10月23日(火)

「維新」橋下氏の九州遊説

負担増が展望?

高齢者への交通助成「バカみたいな政策」

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 「日本維新の会」が20日に九州で行った初の全国遊説。橋下徹代表は「今の日本、金がない。予算の半分が借金」、「日本は沈む」と危機感を強調して、「日本を立て直すために、みなさん我慢をしてください」「みなさんに苦しいこと、しんどいことを言い続ける」と国民や地方に負担を求めると宣言しました。そのために高齢者の生活や社会参加を支えていた大阪市の地下鉄やバスの無料制度を「バカみたいな政策」とまで言及したのでした。

 旧自公政権で社会保障は大幅に切り捨てられ、民主党政権でも13・5兆円もの負担増となる消費税増税が決められています。橋下氏の「国民負担宣言」は、この路線をさらに推進し、低賃金で働く労働者や低年金で日々の生活に苦しむ高齢者の「なんとかしてほしい」との思いを踏みにじるものです。

 橋下氏は「日本の国の根幹を変える」と言いましたが、国政の焦点となっている原発・エネルギー政策やオスプレイ問題なども全くふれず、国民に展望を示せませんでした。

 橋下氏は、福岡市での演説で「新しい日本をつくっていく」と述べ、「展望」を語ろうとしましたが、訴えたのは環太平洋連携協定(TPP)と道州制でした。TPPは農業、地域経済に壊滅的な影響を与えるもので、農業団体をはじめ日本医師会なども反対を表明しているもの。道州制も経団連が「究極の構造改革」と求め続ける施策で、国民に展望を与えるものではありません。

 橋下氏もこのことを意識してか、道州制とTPPを鹿児島市と熊本市では語れず、遊説最後の福岡市に来て触れることになりました。(前)


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