2012年10月22日(月)
英 緊縮反対で15万人
ロンドンをデモ行進
【ロンドン=小玉純一】ロンドンで20日、英国政府の緊縮策に反対して労働者や年金生活者らが市内をデモ行進し、抗議集会を開きました。主催した労働組合のナショナルセンター、労働組合会議(TUC)によると、15万人が参加しました。
「富裕層減税し貧者支援削った」
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2010年に発足した保守党主導の連立政権は、各省平均して4年で2割の歳出を削減することを目指しており、公務員賃金の凍結や福祉手当の削減を進めています。
TUCのバーバー書記長は「緊縮は機能していない。弱者を痛めつけるだけでなく、自らの約束も守れない。景気が回復するといったが不景気のままだ。赤字が減るといったが借金は増えた。みんなで痛みを分かち合うといったが、富裕層に減税し貧者への支援を削った」と批判してきました。
3時間にわたったデモ行進には看護師、消防士、教員、地方公務員、年金生活者、民間労働者、学生らが参加。鼓笛隊の演奏やブブゼラの音とともに「緊縮反対」の声を上げました。
デモに参加した弁護士のイングリスさん(30)は「このご時世に兵器に税金を使うのは道理がない。軍事費を減らし福祉に使うべきだ」と語っていました。
最大野党、労働党のミリバンド党首もハイドパークの集会に参加。「どの党が政権についても歳出を減らさざるをえない」と述べてブーイングを浴びましたが、「私が首相になったら銀行家の賞与に課税し、若者に仕事を与え、住宅建設を進める」と語った部分では集会参加者から歓声が上がりました。
世論調査では、労働党の支持率は昨年から保守党を上回っています。保守党は「労働党は歳出拡大で借金・債務を拡大させる」などと攻撃し、緊縮策を正当化しています。