2012年10月19日(金)
立地補助金 大企業に8割 中小2割
井上議員批判 生活と生業を復興の土台に
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日本共産党の井上哲士議員は18日の参院決算委員会で、東日本大震災の復興予算を復興とかけ離れた事業に流用することは許されないと追及し、「被災者の生活となりわいの再建を復興の土台にすえ直すことが必要だ」と主張しました。
井上氏は、流用の大本には民自公3党の賛成で成立した復興基本法があると追及。「先導的な施策」を掲げ、大企業の要求に応える「新成長戦略」をすすめるものであり、「被災地が置き去りにされている」として反対した日本共産党の指摘どおりの事態になっていると迫りました。平野達男復興相は「法律上、施行は担保されている」と正当化しながらも、「個々の事業の精査はしなければいけない」と答えざるをえませんでした。
井上氏は、震災を契機とした空洞化防止対策として民間企業に補助金を交付する「国内立地推進事業費補助金」では、大企業など中小企業以外に2356億円も使われる一方、中小企業には645億円と全体の21%にすぎないことを告発。トヨタ、キヤノンやシャープ、京セラなど体力のある大企業に補助金をばらまく一方、被災した中小企業などの施設・設備を支援する「中小企業グループ補助金」では申請したグループの6割程度が不採択になっているとして、「肝心の被災地での中小企業支援の予算が不足するのは本末転倒だ」と追及しました。
枝野幸男経産相は「大企業でも経営の困難が迫っていた」と言い訳する一方、グループ補助金の次期募集のための予算については「遅れることなく財政当局と相談していきたい」と答えました。
井上氏は復興予算が、防衛省の情報保全隊の関連費用に流用された問題も追及。復興のあり方を改め、住宅再建支援の拡充こそやるべきだと求めました。