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2012年10月18日(木)

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BPOがバラエティーに意見

視聴者とのずれは?

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 番組制作者の意識は、視聴者とかなりずれていないか。放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が、10月に発表した二つの番組の「放送倫理違反」の決定は、そう思わざるを得ないものでした。

 一つは約2000件の批判が日本テレビに殺到した「芸能★BANG ザ・ゴールデン」(5月4日放送)です。同番組は、当時話題になっていたお笑いタレントと同居していた占い師本人が出演するかのように新聞のテレビ欄や番組のテロップ、ナレーションで告知。しかし別の占い師が出演しました。

 同委は「過剰な演出によって視聴者をあざむくなど、放送倫理に反したものであった」と判断しました。

 もう一つは、フジテレビ「『めざましテレビ』ココ調・無料サービスの落とし穴」(6月6日放送)です。番組スタッフが化粧品会社からの電話に質問を繰り返したにもかかわらず、しつこい勧誘電話が36分も続いたかのように逆に描きました。担当ディレクターは、「実際に電話のやりとりは36分かかったので、36分と表示した」といいます。同委は、「36分の電話となった理由の歪曲(わいきょく)についても、放送倫理違反がある」との委員長談話を発表しました。

 これまで放送倫理検証委員会は、情報バラエティー番組での“正確さと事実の公平性の重要さ”を繰り返し訴えてきました。

 「芸能★BANG」の制作者は、同委に「演出の行き過ぎで視聴者の誤解が生まれた」「多くの人に見てもらいたいという熱い思いが行き過ぎた」と報告しました。同委は「制作者の認識・説明が実際の放送内容とかけ離れ、不適切な演出手法を採った動機を過失や迂闊(うかつ)の側にずらしている」と批判しました。

 事実を歪曲したという指摘を、「行き過ぎ、視聴者の誤解」だとする制作者。視聴者の意識とは二重にずれていると言わざるを得ません。視聴率優先で、事実ではなく“演出”にばかり力を注ぐ姿勢が、テレビへの不信感を高めているのです。同委は「日本の放送文化にとっても大きな損失となる」と強調しています。(萩)


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