2012年10月11日(木)
オスプレイ2機が飛行訓練実施
普天間に全機配備後初
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米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)に配備された米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイ2機が10日午後、同基地を離陸し、飛行訓練を実施しました。宜野湾市によると、オスプレイ12機全機の沖縄配備以降、初の飛行となります。
オスプレイ2機は午後1時30分から35分ごろまでに相次いで離陸。訓練実施後、市街地上空で航空機モードから垂直離着陸モード(ヘリコプターモード)に転換する様子を見せながら、3時25分から30分ごろまでに2機が普天間基地に着陸しました。飛行が強行されたことに地元の反発は一段と強まっています。
オスプレイは7月に12機が岩国基地(山口県岩国市)に搬入された後、今月6日に沖縄への全機配備が完了しました。
日米両政府は「安全対策」として回転翼を上に向けるヘリモードによる飛行は原則、米軍施設・区域内に限ることや転換モードでの飛行時間を可能な限り短くすることで合意していますが、オスプレイは同日も、市街地上空でも平然とヘリモードで飛行。さらに、墜落事故につながりやすいと指摘されている転換モードでも市街地上空を飛行しました。
普天間基地を見渡せる宜野湾市の嘉数(かかず)高台公園を修学旅行で訪れた愛知県の男子高校生(17)は、「こんな街中に基地があれば騒音とか迷惑ですよ。小学校が本当に近くにあり危ない」と語りました。
オスプレイの着陸を目撃した男性(45)=浦添市在住=は、「市街地上空をヘリモードで飛ばない約束は守られていないね」と憤り、一緒に見ていた妻(46)は、「沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落したときはやはり事故は起こるんだと恐怖を感じました。オスプレイにも恐ろしさを感じますね」と語りました。
“わがもの顔” 東村高江
東村高江には午後3時ごろ、オスプレイ1機が飛来し、ヘリモードで飛ぶ姿が目撃されました。住民の反対を押し切って着陸帯工事が進むN4と呼ばれる建設予定地に隣接する既存ヘリパッド(NZ17)に約1分ほど着陸した後、飛び去りました。住民からは「尾翼が赤かった。隊長機じゃないか」「わがもの顔とは、こういうことか」といった声が聞かれました。
N4では、この日も沖縄防衛局が工事を強行。午前10時ごろ抗議する住民らを無視し、予定地内に建設業者を入れました。
地元住民の一人は「オスプレイが配備され、何が何でも着陸帯を完成させようとしているようだ。今日来たオスプレイもいずれ全国で低空飛行訓練をするだろう。全国の人々と連携し撤去するまで頑張りたい」と語りました。