2012年10月10日(水)
“原発推進 守るべき一線”
経団連と対話で安倍総裁
日本経団連の米倉弘昌会長は9日、自民党の安倍晋三総裁ら新執行部と都内のホテルで政策対話を行いました。政権与党の民主党の新執行部や、野田第3次改造内閣の新閣僚との意見交換に先立ち、最大野党と会合を持つ異例の対応です。日本経団連と自民党の政策対話は昨年11月以来のことです。
対話の冒頭、米倉会長は「厳しい現状打開に、政治の強いリーダーシップの発揮を期待する」とあいさつ。安倍総裁は「経済界と対話し、ともに行動することで日本経済を強くしたい」と応じました。
経団連関係者によると、経団連側は政府の「原発稼働ゼロ」方針に改めて反対を表明。安倍総裁も「原子力の推進なしに経済成長も社会保障もあり得ない。自民党の守るべき一線だ」と同調し、民主党との違いを強調しました。自民党の新執行部は、原子力政策の中心を担ってきた甘利明元経産相を政調会長に据えるなど、露骨な原発推進の体制を敷いています。
環太平洋連携協定(TPP)をめぐっては、経団連側が早期の交渉参加を訴えたのに対し、自民党側は現状での交渉入りに慎重な姿勢を示しました。