2012年10月6日(土)
“日中関係 理性的回復を”
中国有識者らネットで呼びかけ
反日暴力行為「強く非難」
【北京=小林拓也】中国の有識者、市民らが4日、尖閣問題で危機に陥っている日中関係の理性的回復を呼び掛けるアピールをインターネット上で発表しました。
アピールは「釣魚島(尖閣諸島)問題が中日関係に危機をもたらし、中国社会を揺るがし、人々は深く憂慮している」と指摘。9月中旬に中国各地で発生した反日暴力行為を「強く非難する」と表明し、「これら少数の人の行為は、中国の大多数の考えを代表したものではない」と述べています。
尖閣問題を受け、多くの分野で日中交流が制限されていることに対し、「賢明ではない。残念だ」「領土や政治の争いを他の領域に無制限に拡大すべきではない」と強調。「双方の経済、文化、生活などの方面の正常な協力・交流を早急に回復すべきだ」と求めています。
また、特定の政治集団が自らの利益のために狭い民族主義を扇動することを批判。「われわれは、可能な限り対話を通じた協議の実現と、日本および他の周辺国との安定した関係を保持することを望む」と訴えています。
アピールは、日本で9月28日に発表された「『領土問題』の悪循環を止めよう! ―日本の市民のアピール」(大江健三郎氏らが賛同)に呼応したもので、「民間交流をさらに発展させ、相互理解を増進し、孫子のために平和な未来をつくらなければいけない」と結んでいます。