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2012年10月2日(火)

イスラム諸国が批判

欧米諸国は「暴力やめよ」

国連一般討論

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 イスラム教の預言者ムハンマドを冒瀆 (ぼうとく)したとされる米国映画に対する抗議が世界各国に広がる中、9月25日から始まった国連総会一般討論でもこの問題が取り上げられました。イスラム諸国側は、西側諸国が「表現の自由」を盾にイスラム憎悪の発言を容認しているとの批判の声を上げました。これに対し米独などは、事態の鎮静化を求めながらも、表現の自由の擁護を主張し、討論は平行線をたどっています。(夏目雅至)


 トルコのダウトオール外相は28日の一般討論で、「表現の自由を装ったイスラム嫌悪の擁護に終止符を打つときだ」と強調。「イスラム嫌悪は、反ユダヤ主義のように新たな形の人種差別にもなっている。表現の自由の見せかけの下に受容できない。自由は無秩序とは異なるものだ」と指摘しました。

 エジプトのモルシ大統領も26日、同様の考えを表明。「エジプトは表現の自由を尊重する。その表現の自由とは、誰に対しても憎しみをあおり立てるために利用しないものだ」と表明。「文化的な特性と宗教を尊重し、受け入れられない考え方や文化を押しつけない」ことを強調しました。

 映画に対するデモで多数の死者が出たパキスタンのザルダリ大統領は25日の演説で、「国際社会は沈黙した傍観者になってはならない。表現の自由を誤用して世界の平和を破壊し、世界の安全保障を危機に陥れるこうした行為を犯罪として扱わなければならない」と言明。カタールのハマド首長はこれに呼応、同日の演説で、「いかなる口実の下でも宗教や信仰を攻撃することを許さない“法”をつくる必要がある」と強調しました。

 こうしたイスラム諸国首脳の発言に対し、米国のオバマ大統領は25日の討論で、「憎悪の言明に対する最強の武器は抑圧ではない。偏狭と冒瀆 に対抗する寛容の声を高めることだ」と言論の自由を断固擁護することを表明。また、ウェスターウェレ・ドイツ外相は28日の演説で、「自由は忍耐という名前の娘、尊重という名の息子を持つ」として表現の自由の行使にあたっての責任を強調。大使館焼き打ちなどの暴力は「文明の対決ではない」として、事態の鎮静化を求めました。


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