2012年10月1日(月)
被災障害者支援続ける
きょうされん全国大会閉会
アピール採択
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障害者が通う小規模作業所などでつくる全国組織「きょうされん」(西村直理事長)第35回全国大会は最終日の30日、「働く・給料」「重度・重複」などの分科会とシンポジウムを開き、「『共同作業所の向こうに』をめざして新たな歩みを続けます」とした大会アピールを採択して閉会しました。
「それぞれのいのちをみつめて〜原発事故がもたらしたもの〜」と題した特別企画のシンポジウムでは、福島県南相馬市の障害者施設の郡信子施設長とタレントの藤波心さん、福井大学の山本富士夫名誉教授がパネリストを務めました。
郡さんは、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故当時のことを振り返りました。「医療、教育、福祉は崩壊しました。一方、介護認定を受ける高齢者は増え、障害者施設に通所希望する障害者は増えています」と話し、いまだに安心して暮らせる状況ではない同市で悩みながら生活する人たちの実態を告発しました。
山本さんは、「原発銀座」福井・若狭湾は活断層が多く危険だと強調。「命と暮らしを守るため、憲法を守る必要があります。安全な原発は存在しないし、つくれない。すべての原発を停止・廃炉にするまで国民運動を大きく展開しなければならない」と訴えました。
藤波さんは、無差別殺人をした地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教の信者が、宗教名を変えていまだに多くいると指摘。その上で、「安くて安全でクリーンなエネルギーという安全神話は去年、終わりました。それでも、いまだに原発を信じようとする人はカルト信者のようです」と述べました。
大会アピールは、国の障害福祉政策の課題に向き合い、全国・地域レベルで新たな運動をつくることを呼びかけるとともに、被災地の障害者支援を継続することを強調しています。
来年の開催地福島の支部への引き継ぎ式が行われました。