2012年10月1日(月)
被災者医療費
福島で免除打ち切り
26市町村、国負担終了で
東日本大震災で、国民健康保険に加入する一部被災者を対象としていた国の医療費全額負担措置が、東京電力福島第1原発の警戒区域などを除き、9月30日で終了します。10月以降、自治体側が金銭的な負担をして同措置を実質的に継続する市町村には、国が来年3月末までの期限付きで免除額の8割を補助します。福島県では26市町村が財源不足のため、免除打ち切りを決めました。岩手、宮城両県では全市町村が免除を継続する方針です。
宮城県は、免除額の残り2割を負担し、市町村の負担をゼロにします。来年3月までの半年間で約12億円の支出が見込まれますが、「内陸に避難している被災者もおり、県内で医療費負担にばらつきがあってはまずい」(国保医療課)と判断しました。
岩手、福島両県は1割を支援。免除を続けるかどうかは、残り1割を負担する市町村の判断に委ねられていました。岩手県では全市町村が継続を決定しましたが、福島県では沿岸部を中心に16市町村が免除を続ける一方、福島、郡山、いわき各市など26市町村は打ち切りと、対応が分かれました。免除がなくなる5万4000人以上が10月以降は、通常通り1〜3割の窓口負担を求められます。
日本共産党の神山悦子福島県議団長は、被災者ががんばっている中で、医療費免除を打ち切る国の姿勢は許されないと強調。「党県議団が県知事申し入れなどで要望する中、福島県は1割の援助を決めましたが、福島県の医療福祉はただでさえ遅れていた分野です。市町村任せではなく、全市町村で継続できるよう県としての役割を果たすべきです。27日の県議会代表質問(阿部裕美子県議)でもこの問題を取り上げましたが、引き続き全市町村での延長を求めます」と話しています。