2012年10月1日(月)
尖閣問題
存在認め交渉を
志位氏提言に広がる賛同
NHK日曜討論
尖閣諸島の領有問題を識者が討論した30日のNHK「日曜討論」で、日本共産党の志位和夫委員長が9月20日に政府に申し入れた「外交交渉による尖閣諸島問題の解決を」の提言が議論されました。出席者からは、「『領土問題は存在しない』という立場をあらため、外交交渉によって日本の領有の正当性を堂々と主張し、解決を図る立場に立つべきだ」という日本共産党の考えに賛意を示す意見が出されました。
番組では、司会の島田敏男・NHK解説委員が「先日、日本共産党の志位委員長が官邸までいって、『“領土問題が存在しない”という前提を変更すべきだ』という申し入れをした」と紹介。アーミテージ元米国務副長官がNHKのインタビューに「アメリカからみれば尖閣諸島の領有権はいまも係争中」と答えたことを引き、出席者に意見を求めました。
これに対し、五百旗頭(いおきべ)真・前防衛大学校長は「現に(中国側から)異議申し立てが激しくあるなかで、『(領土問題は)ない』と言ってものを言わないのは、やはりマイナス。しっかり日本側の主張を言って、自分たちの正当性を語る、備えは専守防衛でやっておくことが大事だ」と発言。村田晃嗣・同志社大教授も「まったく同感」としました。
天児(あまこ)慧・早稲田大学大学院教授は、「(日本政府は)領有権問題はない。ないものにはノーコメント(何もいわない)と言い続けてきた」と指摘。アーミテージ氏の発言は「問題解決のためには、日本は今までの態度ではなく正面から向き合って議論しろという(日本政府への)メッセージだ」と述べました。
また、日本政府が、竹島問題では外交交渉を呼びかけながら、尖閣問題では「領土問題は存在しない」という対応をしていることについて、村田氏は「国際社会で、自分たちの議論がフェアだと見えることを意識すべきだ」と述べました。