2012年10月1日(月)
13万人電機リストラに反撃
「経営危機」口実に雇用犠牲の収益確保
電機産業の大企業を中心に13万人ともいわれる規模のリストラがすすめられています。そのなかで、退職強要や遠隔地配転が横行。雇用と地域経済を守ろうと全国でリストラに反対するたたかいが広がっています。
パナソニック4万人、NEC1万人、リコー1万人、ソニー1万人、シャープ1万人、半導体大手・ルネサスエレクトロニクス1万4000人…。
今回、電機大企業が発表した主なリストラ計画は、全国各地の工場を廃止・縮小するもの。ルネサスは、国内18工場のうち9工場を売却、縮小する計画を発表するなど、各地でリストラをすすめ、地域経済を直撃する事態になっています。
電機大企業は、デジタル家電や半導体での収益悪化で「危機」をあおりたてています。
しかし、電機大企業が抱える内部留保は、昨年より減少したものの、パナソニック3兆3043億円、NEC5586億円、リコー1兆1623億円、ソニー2兆6249億円、シャープ5505億円(2012年3月期、各社有価証券報告書より全労連・労働総研調べ)など、合わせて26兆円(主要企業19社)にものぼります。
「経営危機」を口実にした今回の電機リストラは、労働者の生活を犠牲にし、経営基盤の強化、高収益確保を目的にしたものです。
NECの遠藤信博社長は6月の株主総会で、「1万人の人員削減で業績回復」を図り、13年3月期に1株当たり年間4円の株主配当をすると表明。労働者の生活を破壊して、株主に奉仕するねらいをあけすけに語っています。
リコーの近藤史朗社長は、リストラによって、「筋肉質の経営体質にする」と発言。ルネサスは、13年3月期に営業損益が210億円に黒字回復することを見込み、リストラを加速させることで、収益基盤の強化を図ると発表しています。
こうした無法なリストラが横行するもとで、労働組合や日本共産党は、労働者の生活と地域経済を守ろうと、地方自治体とも共同してリストラ・工場の廃止・縮小撤回の運動をすすめています。(行沢寛史)