2012年9月30日(日)
日本人「慰安婦」実態迫る
市民団体シンポ 「低い人権感覚」指摘
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戦時下における性暴力の実態調査や告発を行っている市民団体「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター(バウラック)は29日、東京都新宿区でシンポジウム「日本人『慰安婦』の被害実態に迫る」を開きました。約100人が参加しました。
バウラックは昨年から日本人「慰安婦」についての調査・分析を開始。活動の中間報告や被害者の足跡などを発表しました。
バウラック共同代表の西野瑠美子さんは、日本人「慰安婦」の実態解明が遅れているのは、「公娼制度下にあったため」と指摘しました。「お金をもらっていたら被害者ではないのか。『強制』させられることだけが被害なのか。『慰安婦』問題とは何か捉え直したい」とのべました。近現代日本女性史の研究を行っている立教大学の小野沢あかね教授は、軍が秘密裏に「慰安婦」を募っていたことなどを報告しました。
「慰安所」が設置されはじめた1930年代は、国際連盟が公娼廃止を日本政府に提言(31年)するなど、国内外で婦女売買禁止の流れが強まっていました。小野沢教授は「政府が婦女売買禁止の措置をとらなかったため、軍の命令で女性を徴集できてしまったことが問題。売春婦だったから『慰安婦』の被害者ではないという考えは、人権感覚の低さがうかがえます」とのべました。