2012年9月30日(日)
子らの可能性信じて
七生養護学校 教育実践振り返る
東京
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「こころとからだの学習」裁判を支援する全国連絡会は29日、「子どもの声がきこえてますか〜七生養護学校の問いかけるもの」と題した集会を東京都内で開きました。さまざまな困難を抱えて生きる子どもたちの現状にどう対応するのか、七生の教育実践から考え合いました。
こころとからだの学習裁判(ここから裁判)は、2003年7月に東京都立七生養護学校(現七生特別支援学校、日野市)で取り組まれていた性教育「こころとからだの学習」に対し、一部の都議や都教育委員会が「不適切だ」として教材の没収などを行った事件を受けて、当時の同校の教職員と保護者31人が起こした裁判です。
一審、二審ともに都議や都教委の行為を違法・不当であると認め、原告側が勝利しています。
集会では、元七生養護の教員と卒業生が映像と朗読で、七生の教育を紹介し、事件を振り返りました。
立教大学教授の浅井春夫さんは「いじめや不登校、虐待や貧困などの問題が山積するなかで、現実の子どもの姿をどのようにとらえていいのか分からなくなっている今、子どもの多様な姿や可能性を見失わない視点が問われている」と提起。「七生の実践の中にこそ、子どもや地域の状況に即した本来の教育の姿がある」と語りました。
桜美林大学准教授の小泉広子さんは「七生での事件は教育内容への介入事件として、教育の自由の本質に関わる問題」と指摘。「子どもの発達に応じた教育を実践するために、創意工夫する教師の専門性を保障する学校教育の自治を探求しなければいけない」と話しました。
集会参加者は、最高裁勝利へ力を尽くすことを確認しました。