2012年9月30日(日)
ローマで反緊縮デモ
3万人、公務員削減に抗議
【ロンドン=小玉純一】イタリアの首都ローマで28日、イタリア労働総同盟(CGIL)などの呼びかけで、モンティ政権の緊縮策に反対するストライキが行われ、3万人がデモ行進しました。長引く不況で失業が深刻化するスペインやギリシャの抗議行動に続くものとして注目されています。
モンティ政権は2014年まで260億ユーロ(約2・6兆円)の歳出削減を予定。国家公務員の10%削減などを断行するとしています。同政権の緊縮政策による「改革」、雇用契約法の見直しは労組などから強い反発を受けてきました。
今回、ストを支持する大学教授、行政職員、ゴミ収集職員らは業務を停止し、人気観光地の古代ローマ円形競技場コロッセオ、フォロ・ロマーノ遺跡が閉鎖となりました。
ロイター通信のインタビューに対し、デモに参加した元兵士エミリオ・アミラグリアさんは、「われわれ、特に若者には希望ある将来が見えない」といいます。
労組は、政府の計画で公務員が不公平に犠牲となると警告。CGILのカムソ書記長は集会で、「公務員削減で政府債務を減らすというのはウソだ。状況をさらに悪化させるだけだ」と指摘しました。
影響は大企業にも拡大、イタリア南部では、大手製鉄業社ILVAの労働者が27日から労働争議を開始しました。
ロイター通信は「緊縮策が家計支出を痛めて景気後退を深め、7月の失業率10・7%が2004年来、最高だ」と指摘しています。