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2012年9月30日(日)

「赤旗」排除ありきの原子力規制委

理由は日替わり 大迷走

特定の主義主張→政党機関紙→会見場の狭さ

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写真

(写真)田中俊一・原子力規制委員会委員長と規制委の入るビル=東京都港区

 「地に落ちた原子力行政に対する信頼回復」「透明性の確保」を掲げて発足した原子力規制委員会(田中俊一委員長)が、「しんぶん赤旗」を記者会見から排除した問題。「報道規制が初仕事か」「何を恐れての『赤旗』排除か」などの怒りの声が広がっています。規制委は「排除」理由を日々“更新”するなど、大迷走。排除ありきの道理のなさが浮き彫りになっています。

 発端は25日。本紙が規制委記者会見への参加を求めたのに対して、原子力規制庁政策評価・広聴広報課は「公正中立のもとに報道いただくため、特定の主義主張を持った機関の機関紙はご遠慮いただきたい」と回答しました。

 同時にフリーの記者の会見参加も「どういった雑誌に、どういった記事を書いているかを見て、特定の主義主張を持って書かれている方はご遠慮いただいています」と述べ、憲法が禁止する検閲まがいの発言までしました。

「言論規制庁か」

 この重大発言を本紙が26日付で「『特定の主義主張 ご遠慮いただく』 原子力規制委が取材規制」と報道すると、ネットで大反響。記事には2万を超えるアクセスがあり、「これでは原子力規制庁どころか言論規制庁ではないか」などの怒りが沸騰しました。

 本紙は同時に、栗田敏夫社会部長名で、「国民の信頼を回復するとして出発した原子力規制委員会のあり方の根本にかかわる重大問題だ」と抗議、方針の撤回を求めました。

 そのさなか26日に開かれたのが、第2回規制委後の記者会見でした。参加したフリーの記者からは、さっそく「なぜ排除か」の質問が相次ぎました。規制庁側は「特定の主義主張…」はさすがに撤回、政策評価・広聴広報課の佐藤暁課長が代わりに持ち出したのは「政党機関紙は報道を事業とする趣旨からいうと違う」という理屈でした。要するに「政党機関紙だからダメ」だというわけです。

政治から独立?

 田中俊一委員長からは、政党機関紙の記者を参加させると「(同委の)政治からの独立が怪しくなる」などと、耳を疑うような発言が飛び出しました。

 これにも、メディアやネットで「政党機関紙だから、というのはなんの合理性もない」「(『政治からの独立』うんぬんは)記者会見の意味を理解しないトンチンカンな発言」などの批判が相次ぎました。

 27日、本紙が改めて排除理由の見解を同課に問い合わせたところ、佐藤課長は「正確に言わないとだめと、私も叱られている」と弁明しながら、「『赤旗』は共産党の機関紙」で「『赤旗』を認めると、すべての機関紙の会見への参加ということになり、記者会見室が広さに限りがあるなか、収容人数からいっても十分に対応できない」と回答。ついに、「会見室のスペース」を理由にあげるにいたったのです。

 特定の主義主張→政党機関紙→会見場のスペースと、毎日変わる排除理由。赤旗記者は何がなんでも参加させたくないという、排除ありきの姿勢だけは一貫しています。


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