2012年9月29日(土)
親族に「扶養」説明責任
生活保護受給者 厚労省がたたき台
厚生労働省は28日、生活保護受給者の親族に扶養ができない説明の責任を果たすことを求めるなどの制度改悪案をまとめ、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の特別部会に示しました。厚労省は、遅くとも11月までに最終案をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する方針です。
「生活支援戦略」のたたき台として示した案には、「福祉事務所が必要と認めた場合には、扶養が困難と回答した扶養義務者は、扶養が困難な理由を説明しなければならないこととする」と明記しました。
現行法では、扶養できる親族がいるかどうかは生活保護受給の要件ではなく、扶養の可否、程度などは当事者の協議によります。しかし、親族への扶養の問い合わせでさえ、実際には受給申請を抑制する大きな要因になっています。
野田政権は、芸能人の親の生活保護受給を機にした生活保護バッシングを追い風に、扶養を事実上の要件にし、受給抑制を図ろうとしています。さらに案では、保護開始から「3カ月〜6カ月」の期間において「『低額・短時間であってもまず就労すること』への就労支援方針の明確化」を盛り込むなど、「就労支援」の名で、働ける年齢層の追い出しも狙っています。