2012年9月28日(金)
原発 「米国の意見聞くべきだ」
原子力業界の理事長発言
原子力産業の業界団体、日本原子力産業協会(原産協)の服部拓也理事長は27日の報道記者との懇談で、「アメリカの言うことによく耳を傾けるべきだ」とのべ、「原発稼働ゼロ」を盛り込んだ政府の「革新的エネルギー・環境戦略」を批判しました。
「エネルギー・環境戦略」は「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」というものです。この文書は、当初いわれていた閣議決定が見送られました。
同文書について服部氏は、「国際社会に対する責任を放棄するものであり、到底看過できるものではない」「今後も原子力技術を維持・発展させていく責任がある」とする理事長名のコメントを発表しました。
コメントでは、日本が原発を存続させることが「東アジア地域の安定と日米関係の維持発展のために不可欠と(米国が)考えていることを考慮すべき」だと明記しています。
この文言について服部氏は「アメリカからの意見も意識したところであるが、安全保障という観点からアメリカの言うことによく耳を傾けるべきだ」と発言しました。
また服部氏は政府が閣議決定をしなかった理由に「いろんな意見があった」ことを指摘。青森と福井の原発立地県や経団連などの経済界、米国からの強い反発があったことを例にあげました。
服部氏は「(クリントン米国務長官ら要人)4人が、日本が原子力をやめようとしていることに懸念を示していることで、(閣議の)19日までに(方針変更が)あったのだろう」との見方を示しました。
服部氏は、東京電力の元副社長。