2012年9月27日(木)
原子力規制委の取材規制
排除方針は不当
本紙が抗議、撤回求める
原子力規制委員会(田中俊一委員長)が、「特定の主義主張を持った機関紙はご遠慮いただきたい」などとして、本紙の記者会見出席を不当に排除したことに対して本紙は26日、「国民の信頼を回復するとして出発した原子力規制委員会のあり方の根本にかかわる重大問題だ」として、排除方針の撤回を求める栗田敏夫社会部長名の「抗議文」を届けました。
抗議文は、同委員会が議題で、(1)報道機関への発表を積極的に行う(2)報道機関を既存官庁よりも広く捉え、報道を事業として行う団体や個人を対象にする―と明記していることから、本紙を「排除するのは不当」と批判しています。
また、同委員会の実務を担当する原子力規制庁の広報担当者がフリーランスの記者に対しても、「特定の主義主張を持って書かれている方はご遠慮いただいております」などと、憲法が禁止する「検閲」まがいの発言をしていることは、「憲法順守義務を負う公務員としてもってのほか」と指摘しています。
本紙には読者から「こんなことを許していたら、日本はどんどん右傾化してしまう。抗議先を教えてほしい」という問い合わせが寄せられました。
「赤旗」報道で質問相次ぐ
原子力規制委員会の田中俊一委員長は26日、第2回委員会後の記者会見で、「しんぶん赤旗」を会見に参加させないとする事務局の方針について問われ、政党機関紙の記者を参加させると「(同委の)政治からの独立が怪しくなる」などと発言しました。
また、広報担当者は席上、「政党機関紙は報道を事業とする趣旨からいうと違う」として、政党機関紙であることを理由に「しんぶん赤旗」の会見参加を認めない考えを示しました。
この日、「しんぶん赤旗」の報道に関連して複数の記者から、従来の行政の対応より後退ではないかなどと質問がありました。
言論の自由奪う これは憲法違反
ツイッター書き込み
インターネットのツイッターには、次のような書き込みがありました。
「つまり原子力規制庁は、『何でもかんでも真実を報道する奴らは危なっかしくて取材に応じたくない』ということですね」
「そもそも『特定の主義主張』のないジャーナリズムなど存在するのか? もしあるとすれば、戦前のような『大本営発表』だけだろう」
「共産党を支持しないが、これは許せない。こんなことがまかり通ったら日本は暗黒時代になってしまう」
「言論の自由まで奪うのか? 原発利権のために」
「反原発規制委か」
「これは憲法違反」