2012年9月24日(月)
スト学生「完全な勝利」
学費値上げを撤回
カナダ・ケベック 州首相が表明
【ワシントン=山崎伸治】カナダ・ケベック州で、今月4日の州議会選挙で第1党となったケベック党のマロワ州首相が、7年間で75%増という前政権による大学学費値上げ計画の撤回を表明しました。同計画に反対して今年2月半ば以来、ストライキを続けてきた学生らは「完全な勝利だ」と歓迎しています。
前政権が7年75%増計画
ケベック党は選挙で、学費値上げ計画の撤回を公約していました。マロワ氏は19日に首相に正式就任し、翌20日に計画撤回を発表。合わせて、大学のための予算を減らさないことも約束する一方、今後、学費の値上げはインフレ率に連動させるとしています。さらに数カ月のうちに、教育問題に関する会議を開くとしています。
また前政権が学生による抗議行動を規制するため、25人以上の抗議行動への事前通告義務付けや大学施設付近でのデモ禁止を定めた法律についても、廃止を明言しました。
現地からの報道によると、12万5000人の学生が加盟する同州最大の学生組織「ケベック大学生連盟」のデジャルダン議長は21日、「完全な勝利だ。対立ではなく、協力の新たな時期が来た」と表明しました。
ただ、10万人が加盟する、もう一つの学生組織「CLASSE」は同日発表した声明で、計画撤回は「たたかいの終わりではなく、学生と市民の動員は継続すべきだ」と表明。今後は学費の無料化を求めて行動するとして、2月以来毎月22日に行ってきた抗議行動を今月も実施。同州最大都市モントリオールで数百人がデモ行進しました。