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2012年9月22日(土)

主張

民主党代表選

「問責」可決された首相の再選

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 民主党代表選が行われ、野田佳彦首相が、原口一博、赤松広隆、鹿野道彦の3氏に大差をつけて再選されました。民主党内の争いとはいえ、首相に直結する第1党の党首選です。野田首相は来週の国連総会への出席をはさんで、党役員人事と内閣改造を行う予定ですが、首相の再選のため、10月に開会予定の臨時国会での首相指名は行われず、政権を継続します。そうである以上、野田首相が先の通常国会会期末の参院で問責決議を可決されていることは、あいまいにすますわけにいきません。

消費税増税に無反省

 参院での問責決議は衆院での不信任決議に匹敵する国会の意思表示です。野田首相が問責されたのは、野田氏と民主党が公約に違反し、自民、公明両党と談合して消費税増税を強行したからです。日本共産党など野党が提出した問責決議が可決されたのは国民の怒りの反映であり、野田氏はもちろん野田氏を大差で代表に再選した民主党も、その責任が問われ続けるのは間違いありません。

 問責決議の可決後、野田首相は公約違反を認めて謝ったほうがよかったなどと発言していますが、消費税増税を強行したこと自体はいっさい反省していません。それどころか、代表選中の発言でも消費税増税を実行するための具体化を急ぐことを繰り返しています。

 消費税増税とともに成立させた社会保障制度改革推進法にもとづく社会保障改悪の検討も進める構えです。野田内閣は消費税増税分を大型開発など無駄遣いに回すことも露骨にしています。消費税増税は「社会保障のため」だなどといった口実は完全に破綻しています。消費税増税に道理がなかったことはいよいよ明らかであり、野田首相と民主・自民・公明の増税連合の責任は明白です。

 野田首相は、消費税増税だけでなく、米海兵隊の新型輸送機オスプレイの沖縄配備や原発の再稼働、環太平洋連携協定(TPP)への参加交渉など世論に逆らった悪政を次々強行してきました。このことも問責決議の背景です。

 見過ごせないのは、もともと「保守」を自任する野田氏が、集団的自衛権の行使などタカ派的な主張を露骨にしていることです。民主党代表選と同時に行われている自民党総裁選では、安倍晋三元首相や石破茂元防衛相など5人の候補が改憲・タカ派を競いあっています。自民党では誰が総裁になっても右傾化の路線が強まることが確実ななか、野田氏がそれに呼応した主張を繰り返すのは危険です。

 安倍氏らとの連携を隠さない「橋下・維新の会」の動向もあります。日本の政治の右傾化を許さないためにも野田首相の言動がきびしく批判されるのは当然です。

野田政権を追い詰めて

 民主党政権がスタートしてから3年。アメリカいいなり、財界・大企業本位の政治の「害悪」にメスをいれず、国民を裏切り続けた政治への批判は強まる一方です。

 問責決議を受け止めるどころか開き直る野田首相が民主党内の代表選では大差で再選されても、問責にこめられた国民の批判がおさまることはありません。

 政権を継続する野田首相を追い詰め、国民と力を合わせて衆院の解散・総選挙を実現し、新しい政治を切り開いていくことがいよいよ重要です。


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