2012年9月22日(土)
オスプレイ飛行強行 市街地近く空中停止
岩国市民らが抗議
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「オスプレイを飛ばすな」「試験飛行反対」。抗議の唱和のなか海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの試験飛行が21日、山口県岩国市の米海兵隊岩国基地で始まりました。7月23日に同基地に12機が陸揚げされて以来、国内では初飛行。早ければ28日から順次、普天間基地(沖縄県宜野湾市)に移動し、10月中の本格運用を狙っています。
1機目のオスプレイが午前9時20分ごろ、回転翼を垂直に向けたヘリモードで上昇してホバリング(空中停止)を行った後、いったん着陸。同25分に回転翼を垂直から前傾させて上昇し、回転翼を水平方向に向けた固定翼モードで海上に向けて飛行しました。瀬戸内海上空を飛行したものとみられます。
さらに2機目は、市街地に近く、防衛省が使用しないと明言してきた旧滑走路でホバリング後、いったん降下したあと離陸。監視行動に参加していた市民から、強い怒りの声が上がりました。
午前中、離陸した2機は同11時前後に帰着。午後も数機が離着陸を繰り返し、合計7機が試験飛行に参加しました。
基地滑走路の北端近くのフェンス際には、午前7時半ごろから市民が次々とつめかけました。1機目のオスプレイが駐機場から滑走路に向かうと、「オスプレイはアメリカへ帰れ」「岩国にも沖縄にもいらない」と唱和が始まり、10分後に離陸すると、「どんなに反対しても飛ばすのか」との怒りの声があがりました。
「怒」の文字のうちわを手にした女性(61)は、「まさに怒です。政府の『安全宣言』など信じられない。このままでは日本全国が見えない恐怖にさらされることになる」と語気を強めました。
住民団体「愛宕山を守る会」の岡村寛世話人代表(69)は、「日本全国でオスプレイの飛行が開始される第1ページとなった。こうして公然と訓練できるようになった責任は日本政府にある。オスプレイは2カ月に1回は事故を起こしているのだから、必ずまた事故を起こす。集会も開き、われわれは反対し続ける」と語りました。