2012年9月20日(木)
診療報酬の特例延長
厚労省 被災医療機関向け
厚生労働省は19日、東日本大震災で被災した医療機関に適用している診療報酬の特例措置について、期限を9月末から来年3月末に半年延長する方針を決めました。同日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)総会に延長方針を示し、了承されました。
政府は被災した医療機関向けに、仮設の建物で保険診療をできるようにしたほか、定数を上回る入院患者を受け入れたり、震災に起因する事情で入院期間が180日を越えた場合でも、診療報酬の減額措置の対象としないなどの特例措置を設けました。同省によると、7月1日時点で134機関が特例措置を利用しています。
ただ、今回の延長が原則として現在適用を受けている医療機関のみを対象としていることに、懸念の声も上がっています。厚労省保険局医療課は「特例措置の内容によっては、現在適用を受けていないからといって将来も必要ないとはいえないとの議論もある。例外的な対応も検討する」としています。
これらの特例措置は大震災後、医療関係団体や日本共産党が「積極的に被災者の支援を行うほど医療機関が不利益を受ける事態が起きている」(田村智子参院議員)と指摘し、強く要求してきたものです。