2012年9月20日(木)
「原発ゼロ」閣議決定せず
新エネ戦略 米・財界の反発受け
政府は19日の閣議で、今後のエネルギー政策に関して「『革新的エネルギー・環境戦略』を踏まえ、不断の検証と見直しを行いながら遂行する」との方針を決定しました。当初は同戦略を閣議決定する予定でしたが、「原発ゼロを目指す」という文言に対する財界、米国から反発を受け、閣議決定を見送りました。閣議決定に「原発ゼロ」の文言は盛り込まれませんでした。
藤村修官房長官は同日の記者会見で「戦略を踏まえてエネルギー環境政策の具体化を図る」と述べました。枝野幸男経済産業相は閣議後の会見で、「閣議決定の文書には入っていないが、(戦略は)閣議でオーソライズされた」と表明しました。古川元久国家戦略担当相も「こういう閣議決定の形を取ったことの裏に意図はない」と述べました。
政府の「エネルギー・環境会議」が14日策定した戦略をめぐっては、財界などが強く反発。18日の国家戦略会議でも民間議員が反対意見を述べ、承認が見送られていました。
戦略は、「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」としましたが、「稼働ゼロ」という目標自体があいまいなうえ、期限も明確でなく、「30年代」というのは圧倒的多数の国民が求める「即時撤退」から見て遅すぎるものでした。また、原発の使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル政策は継続するとするなど、「原発ゼロ」と矛盾する内容を含んでいました。