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2012年9月20日(木)

政府 オスプレイ「安全宣言」

欠陥そのまま“運用ありき”

150メートル以下低空飛行も明記

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 政府は19日、米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイについて、「特に危険と考える根拠は見出(みいだ)し得ない」と断定し、「飛行運用を開始させる」と“安全”宣言の文書を公表しました。玄葉光一郎外相、森本敏防衛相が記者会見し、日米の外務・防衛当局で構成される日米合同委員会覚書とあわせて発表しました。日米両政府は、「安全宣言」と、合同委員会の協議のなかで、飛行中のエンジン停止の際の緊急着陸に必要な安全機能であるオートローテーション機能(自動回転)がオスプレイにないことを認めました。欠陥をそのままに運用ありきで「安全宣言」を押し付けるものです。


写真

(写真)市役所を訪れた森本防衛相らに「オスプレイを飛ばすな」と抗議する市民たち=19日、山口県岩国市

今週にも試験飛行

 米軍は今週中にも岩国基地(山口県岩国市)での試験飛行を開始し、10月中に普天間基地(沖縄県宜野湾市)での本格運用を開始する狙いです。

 文書は、オスプレイが日本全国で低空飛行訓練を行うと断定。合同委員会覚書では、航空法や国際条約で定められた最低安全高度(地上150メートル)について、「運用の安全性を確保するために、その高度(150メートル)を下回る飛行をせざるを得ない」と述べ、最低安全高度に反した飛行を行う可能性を明記しました。米軍機による最低安全高度を下回る飛行訓練の目撃例はこれまでも相次いでいますが、日米の合意文書であからさまに示されたのは初めてです。

 米軍が6月に公表したオスプレイ配備に向けた「環境レビュー」は、高度60メートルでの飛行訓練を明記しています。

 さらに覚書では、訓練ルートはオスプレイの乗組員が「定期的に見直し、検証する」と明記。ルートを決める権限が日本政府や「合同委員会」にすら存在せず、パイロットに存在する可能性を明らかにしました。

 また覚書では、オスプレイの飛行運用について、「学校や病院を含む人口密集地域上空を避ける」、「22時から6時までの飛行及び地上での活動は制限される」などとしていますが、いずれも米軍が必要と判断した場合、これらを踏みにじる運用を認めています。

「持って帰れ」

岩国市民抗議の声

 岩国市では森本防衛相の訪問に対し、市役所前で「オスプレイは岩国にも沖縄にもいりません」の横断幕やプラカードを掲げた市民が抗議行動。「オスプレイは持って帰れ」と唱和を続けました。行動に参加した「住民投票を力にする会」の吉岡光則代表は「安全宣言など茶番。国民はだれも安全と思っていない。オスプレイの試験飛行は下関沖で行われるとされており、全県的なたたかいへ、さらに全国的なたたかいへと発展させて日米政府を追いつめたい」とのべました。


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