2012年9月19日(水)
日航は全争議解決を
再上場を前に 原告団が見解発表
解雇やめ空の安全守れ
原告団らが緊急銀座デモ
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日本航空の株式が東京証券取引所に再上場されるのを前にした18日、日航に解雇撤回を求めて裁判をたたかう原告団(パイロット・山口宏弥団長、客室乗務員・内田妙子団長)は国土交通省内で記者会見し、空の安全を守るため解雇問題をはじめすべての争議を解決させるべきだとする見解を発表しました。
日航は19日に株式上場の予定ですが、▽パイロットの解雇撤回▽客室乗務員の解雇撤回▽契約制客室乗務員の雇い止め撤回▽子会社・日東航空整備の労働者の職場復帰▽労働組合への不当労働行為認定―の5裁判を抱えたままです。
2010年末、日航は希望退職の目標を大幅に超過達成し、史上最高の利益をあげながら、パイロット81人、客室乗務員84人の165人の解雇を強行しました。
解雇強行後、過去最高の利益を更新し続けていますが、職場では深刻な人員不足がおこり、事故や安全トラブルが多発しています。
見解によれば、解雇後にパイロット90人が他社に転出し、航空身体検査による乗務中断が31人(7月末現在)におよんでいます。客室乗務員は710人を新規採用しても追いつかず、さらに100人追加募集しました。
日航解雇問題で国際労働機関(ILO)から出された勧告は「労働組合と労働者の代表者が継続的に役割を果たせるようにすべきだ」と労組役員を根こそぎ解雇した日航の不当性を明らかにし、労使協議の確実な保障を政府に求めています。
パイロット原告団の山口団長は「現在、電機リストラが12、13万人規模で行われており、この裁判は雇用に大きな影響を与える」と指摘。「日本政府と日航がILO勧告を受け入れてこそ、国際的信頼を得られる」と強調しました。
客室乗務員原告団の内田団長は「経営再建について、稲盛和夫会長(当時)の『功績』とされているが、必要以上の人員削減の実態を知ってほしい。株式上場を機に安全運航のため解決させるべき時期だ」と訴えました。
日航解雇撤回原告団と国民支援共闘会議は同日、東京・銀座でのデモ行進を行い、解雇撤回裁判への支援を訴えました。
緊急な呼びかけで、当初50人の参加を予定していましたが、80人が参加。山口団長は「デモを見た人には、『解雇問題を初めて知った』という人もいた。さらに多くの人に安全問題を知らせたい」と語りました。