2012年9月19日(水)
オスプレイ きょう政府「安全」宣言
米軍の運用の自由容認
あすにも試験飛行
米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの沖縄・普天間配備をめぐり、政府は「運用の安全性は十分に確認された」として、「飛行運用を開始する」との政府方針を19日に発表します。森本敏防衛相が同日午後、オスプレイが陸揚げされている岩国基地を抱える山口県岩国市と山口県を訪問して方針を説明し、早ければ20日にも同基地周辺での試験飛行を強行します。
沖縄県では9日に10万人以上が参加してオスプレイ配備に反対する県民大会が開かれました。また、日本全国でオスプレイの飛行訓練への懸念が広がっており、これらを無視しての配備計画強行への反発は必至です。
政府方針によれば、今年4月と6月に起こったオスプレイ墜落事故は「人的要因によるところが大きく、機体自体に問題がない」として、同機の欠陥を否定。飛行マニュアルの見直しなどで対処するとしています。
また、低空飛行訓練については、最低安全高度(150メートル)以上の高度で飛行し、原子力施設や史跡、人口密集地を避けるとしています。1999年の低空飛行訓練に関する日米合意をそのまま踏襲したものですが、実際には高度150メートルを下回る米軍機の超低空飛行や人口密集地での飛行が相次いでおり、何の拘束力もありません。
さらに、普天間基地(沖縄県宜野湾市)での夜間訓練も「必要最小限」として、必要であれば認める従来の方針通りです。
事故が起こる可能性が高いとされる飛行モードの転換(回転翼の角度転換)も、基地上空や海上に限るとしていますが、「運用上必要な場合」は人口密集地での転換も容認しています。米軍の運用上の自由は基本的に確保されており、安全確保にはほど遠い内容です。