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2012年9月18日(火)

主張

軍事費概算要求

米軍戦略の後押し許されない

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 防衛省は4兆6362億円にのぼる2013年度予算の概算要求を提出しました。一般会計とは別に東日本大震災復旧・復興特別会計でも戦闘機補修などを理由に1607億円を要求しています。

 12年度予算に比べると1・6%減額されているとはいえ5兆円に近い巨額です。13年度予算では年金がさらに削減され、生活保護も削られる予定です。国民に負担増を押し付ける一方で、軍事費を「聖域」扱いにするのは筋が通りません。軍事費を削って国民生活予算に回せという国民の願いに政府は正面から応えるべきです。

「異常に高い」買い物

 概算要求の特徴は、アメリカの軍事戦略にそって自衛隊が海外でたたかうための装備を増やそうとしていることです。その最たるものがアメリカ中心に開発されてきたF35戦闘機の購入です。野田佳彦政権は最終的に42機購入することを決めています。総額1兆6千億円ともいわれる異常に高い買い物に批判が噴き出しています。

 概算要求は来年度に2機を購入するため308億円を計上しています。1機154億円です。初年度にあたる今年度は4機を購入し、価格は1機102億円でした。来年度の価格は実にその1・5倍です。残り36機もアメリカの裁量で価格が決められるしくみになっているため、高騰は避けられません。国民に負担を押し付けながら、F35の購入をつよく迫る米政権の要求に応えるために、42機ものF35購入を決めた野田政権の責任は重大です。

 概算要求ではF35の主翼や胴体、エンジンなどを組み立てる施設を国内につくるため初年度の費用として1168億円が計上されていることも見過ごせません。F35の国際共同開発に参加できない日本の兵器産業界をF35の組み立てや検査作業に参加させ、もうけを保障しながら軍用機製造技術の基盤も維持するのが狙いです。

 F35の購入はまさにアメリカと財界に奉仕するものです。レーダーにとらえられにくいステルス性能を備え、長距離攻撃能力と爆撃能力をもつF35は憲法違反の疑いが濃厚です。巨額の血税投入を許すわけにはいきません。

 さらに概算要求が、陸上自衛隊の部隊を離島に上陸させるためとして水陸両用輸送車4両の購入費25億円をはじめて計上したことも問題です。グアムやテニアンなどのアメリカの拠点防衛への協力につながります。アジア太平洋地域を重視したアメリカの軍事戦略を後押しする「日米動的防衛協力」の具体化です。アメリカがイラク戦争で駆使した高高度滞空型無人機の導入を目的にした海外調査にも警戒が必要です。

むだ一掃し国民生活へ

 来年度概算要求が米軍普天間基地の名護市辺野古への「移設」を含む米軍再編経費として今年度と同じ792億円を計上しているのも重大です。新基地建設に反対し、普天間基地の即時閉鎖・撤去を要求している沖縄県民の総意をふみにじるものです。在日米軍への「思いやり予算」を1880億円計上しているのも、国民の廃止要求に反します。米軍戦略を後押しする経費はすべて撤回すべきです。

 むだを一掃し国民生活に回させるためにも、「アメリカいいなり」「財界中心」の「二つの害悪」を断ち切ることが重要です。


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