2012年9月17日(月)
反日デモ 106都市地域以上か
中国
【北京=小寺松雄】日本政府が尖閣諸島(中国名・釣魚島)を国有化したことに反対する中国各地の抗議デモは16日、前日に続き北京をはじめとして多数の都市で繰り広げられました。
各地のメディアや日本領事館によると、広東省では広州で数千人、深圳(しんせん)で5000人がデモ行進しました。深圳ではデモ隊と警察の小競り合いがあり、警察が催涙ガスを使用しました。広州では群衆が日本料理店のガラスを破壊しました。16日のデモはこのほか上海、陝西(せんせい)省西安、四川省成都、遼寧省瀋陽、黒竜江省ハルビンなど各地に及び、106以上の都市・地域で行われたとの情報もあります。
北京の日本大使館前では、のべ1万人程度がデモ行進し、ペットボトルを大使館に向かって投げつけるなどしました。「日本は不倶戴天の敵」という横断幕も見られました。
一方、デモ隊と反対の歩道を「冷静対応、反対暴力」と書いた紙を掲げて一人だけで歩く若い男性の姿もありました。
15日に北京や山東省青島で起きた暴力行為を踏まえた日本公使の同夜の申し入れに、中国外務省の羅照輝アジア局長は「冷静な行動を呼び掛けている」「日本企業を法律に基づき保護する」と返答していました。丹羽宇一郎大使は16日、改めて邦人と日本企業の安全確保に万全の措置をとるよう中国外務省に申し入れました。