2012年9月16日(日)
オスプレイ配備強行の構えだが
運用めぐる協議難航
「県民大会とは関係なく、(沖縄に)動いていく」(12日、森本敏防衛相)―。日米両政府は、墜落事故が相次ぐオスプレイ配備撤回の不退転の意思を示した沖縄県民大会や、低空飛行訓練への懸念の全国的な広がりを受けても、10月中の普天間配備を強行する構えをみせています。
所報のように、防衛省は9月末から10月中旬を念頭に、岩国基地(山口県)に陸揚げされているオスプレイの試験飛行を、下関沖の訓練空域「R134」などで行う方向で調整していることを明らかにしました。一方、日本政府による“安全宣言”の前提となる運用ルールの交渉は難航しています。
玄葉光一郎外相は、運用ルールを協議している日米合同委員会が「難しい交渉になっている」と述べ、「10月中の運用開始もなかなか難しい」との認識を示しています。
それは、表下に示されているように、オスプレイ配備に向けた「環境レビュー」で示された運用計画が、米軍機の飛行に関する過去の日米合意や当事者の言明とも矛盾しているからです。
オスプレイ配備に反対する声が沖縄のみならず全国にも広がり、日米両政府も生半可な運用ルールでは“安全宣言”を出せないという事実が背景にあります。過去の合意事項はいずれも順守されていないのが常態であり、新合意が安全性を担保する保証はありません。 (池田晋)
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