2012年9月16日(日)
中国各地で反日デモ
一部暴徒化、日系店舗を破壊
【北京=小寺松雄】尖閣諸島(中国名・釣魚島)の日本国有化後の最初の週末となった15日、中国の50を超える都市で「釣魚島は中国のもの」などを掲げる反日デモがあり、一部で暴力行為も発生しました。
北京の日本大使館前は、朝8時すぎから波状的なデモが繰り返され、参加者は万単位にのぼりました。
若者を中心とするデモ隊は「日本人は出て行け」「日本製品ボイコット」などの横断幕や紙を掲げて行進。「小日本」「日本狗(犬)」など日本人を蔑視する文言も目立ちました。
大使館前で立ち止まることが規制されると、群衆の中からペットボトルや石、卵が大使館に向けて投げつけられました。大使館玄関に設けられたバリケードを乗り越えようとする動きもありました。
大使館前のバス通りは、半日以上にわたって完全に交通ストップ。デモは午後6時半ごろ収束しました。
各地のメディアによると、この日の反日デモは北京のほか上海、蘇州(江蘇省)などでもありました。長沙(湖南省)、青島(山東省)では、参加者が日系のスーパーやコンビニに乱入し、破壊、略奪行為に及びました。
成都(四川省)では14日夜に日系コンビニが破壊されました。上海では14日までに日本人が暴力を受けるなどの事件が連続し、少なくとも4人が負傷しました。
あってはならない暴力 中国は安全確保に万全を
尖閣問題をめぐる中国各地のデモや抗議行動の中には、日本人に対する暴力行為、威嚇、嫌がらせ、また日本関連の企業や建物への破壊活動があり、それによる負傷や被害も報告されています。
いかなる理由であれ、批判や抗議の意思を暴力で表すことは、どんな場合でも絶対にあってはなりません。その点で、両国政府には、国民が冷静な行動をとるよう最大限の努力をする責任があります。中国政府が、日本人、企業、大使館の安全確保に万全の対策を取るべきなのは、当然のことです。