2012年9月12日(水)
オスプレイ編隊飛行時 十分な間隔でも墜落
防衛省がフロリダ事故報告
今年6月、米フロリダ州で米空軍の垂直離着陸機CV22オスプレイが2機編隊で飛行中に墜落した事故について防衛省は11日、分析評価チームによる報告書を公表しました。この中で、事故機と先行機との距離が規定より約5倍も長い1200フィート(365メートル)も離れて飛行していたにもかかわらず、先行機の後方乱気流に巻き込まれて墜落したことが明らかになりました。
米空軍が8月末に公表した事故調査報告書によると、CV22が編隊飛行する際の先行機と後続機との安全な最低距離は垂直方向で25フィート(7・6メートル)、水平方向で250フィート(76メートル)と定められています。
防衛省の分析評価報告書は、事故機が先行機から垂直方向には5フィート(1・5メートル)しか離れていなかったものの、水平方向には1200フィートも離れていたことを指摘。CV22のマニュアル(手引書)には後方乱気流の影響が375フィート(114メートル)後方までしか記載されていないとし、「事故に影響を及ぼした要因」と認めました。
一方で、分析評価報告書は、事故機や関連装備品に不具合があったことを示す証拠はないとし、機体自体には問題がないと強調。事故機の副操縦士や機長が先行機との位置関係を誤認識し、十分な高度差を確保しなかったことなどが「主たる事故原因」であり、「人的要因によるところが大きい」とし、米側の事故調査結果を追認しました。