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2012年9月12日(水)

東日本大震災1年6カ月

避難長期 体調不良4割

心身とも限界 なぜ消費税増税

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 「過酷な仮設暮らしと、将来への不安で心も体も限界」「いまなぜ消費税増税なの。政府は、もっと真剣に手を差しのべて」―。東日本大震災から1年6カ月が経過しました。本紙は、被災者が置かれている状況や要望を聞くために岩手、宮城、福島3県で300人を対象に実態調査を実施しました。被災3カ月、6カ月、1年に続く4回目の調査ですが、避難生活が長期化するなかで心身ともにいっそう厳しい状態に追い込まれていることが浮き彫りになりました。同時に生活再建・復興の前進を願い、行政への要望、国の支援を求める声もさらに強まっています。(東日本大震災取材団)


国の支援が必要 9割

被災者300人調査

 実態調査は、仮設住宅をはじめ、借り上げ住宅、被災した自宅などで暮らす被災者を記者が直接訪問して聞きました。調査に協力してくれたのは岩手県117人、宮城県107人、福島県76人。男性114人、女性186人です。

 被災者の置かれた現状は、体調に顕著にあらわれています。心身の健康状態について「悪い」15%、「やや悪い」23%と、約4割もの人が不調を訴えているのです。

 岩手県大船渡市の仮設店舗で飲食店を営む女性(63)は「震災後、睡眠導入剤を飲み続けています。営業や生活のことを考えると眠れない」。

 がんなど重篤な症状も目立ちます。福島県南相馬市の仮設住宅のベンチ前で涼んでいた3人組の高齢女性に話を聞くと、それぞれ大腸がんや心筋梗塞で最近まで入院していたといいます。「津波と原発事故で家に戻れない。そのうえせまくて暑い仮設生活で、体がむしばまれる」(女性・73歳)

 こうした深刻な事態の背景には、被災者をとりまく環境改善の遅れがあります。

 生活の基盤となる自宅再建は、「まったく展望ない」46%、「あまり展望ない」30%と計76%が困難と回答。被災1年時の83%よりは若干改善したもののいぜん厳しい状況です。

 復興の要の雇用や生業(なりわい)再建もすすんでいません。就労状況では失業中が3割、福島では6割が失業しています。

 農漁業や水産業など生業の再建も「めどがたたない」56%、「あまり進んでいない」19%の計75%と依然として深刻です。福島県では、計96%と前回、前々回の調査に引き続き約9割と、まったく改善していません。

 それだけに支援を求める声は、いぜん切実です。生活や生業再建に国の全面支援が必要と約9割が回答。強化を要望したい施策として、住宅再建、医療費、雇用、生業など多様な支援を求めています。

 同時に被災者に冷たい政府の姿勢に激しい怒りが噴出しています。消費税増税の生活への影響について「大きな打撃になる」(77%)、「少し打撃になる」(17%)が計94%にものぼります。

 宮城県東松島市で仮設住まいの漁師の男性(73)は、語気を強めて訴えます。「東北の人たちが大きな打撃を受けているこの時期に増税はねえんでないか。選挙で民主に入れたこともあるが、自民といっしょで情けない党だ。国は全面支援して一日も早く復興をすすめてほしい。漁をすることが漁師の生きがいなのだから」

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