2012年9月11日(火)
東日本大震災1年6カ月 避難生活34万人
東日本大震災から11日で1年6カ月が経過します。死者は1万5870人、行方不明は2814人(10日現在)にものぼっています。岩手、宮城、福島3県などの被災者約34万人が、いまだに仮設住宅や借り上げ住宅での避難生活を強いられているのです。
長期化する避難生活は、被災者を心身ともに苦境に追い込んでいます。「狭くて暑い仮設暮らしと、将来への不安で体調を崩した。最近は病院通いが続いている」(福島県新地町で仮設暮らしの漁師の男性・64歳)などと、悲鳴のような訴えが聞こえてきます。
ところが国は、医療・介護の減免支援について一部地域をのぞいて9月末で取りやめ、自治体まかせにしようとしています。
住まいの再建に欠かせない、土地の確保や再建資金も被災者を苦しめています。国は高台移転への公的支援に制限を設けるなど、不誠実な態度をとっているためです。
岩手、宮城両県で約2400万トンにのぼるがれき処理も遅れています。8月末までに処理できたのはわずか2割にすぎません。ゼネコンまかせの処理計画が遅れの要因になっていると、地元では批判が高まっています。
福島県では、東京電力福島第1原発周辺11市町村のうち、先月末までに4市町村の警戒区域が解除されました。しかし除染作業はすすんでおらず、大半の住民が自宅に戻れるめどさえたっていません。