2012年9月8日(土)
在沖米総領事の暴言 「住宅密集は不思議」というが…
普天間基地の墓は語る
住民から土地奪った証拠
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「普天間基地は世界一危険ではない」「(基地周辺に)どうして住宅が密集しているのか不思議」。アルフレッド・マグルビー在沖縄米総領事の就任会見での発言が沖縄県民の怒りをかっています。
同総領事に見てほしい一枚の写真があります。沖縄県宜野湾市に居座る米海兵隊普天間基地の一部を撮影したものです。
同基地の南端で、米軍機が着陸する際に利用する「誘導灯」越しに並ぶ亀の甲羅状の屋根の群れ。沖縄県内に広く分布する独特の墓、亀甲墓(かめこうばか)です。
なぜ米軍基地内に墓が―。答えは簡単です。沖縄県と宜野湾市教育委員会が2010年にまとめた「普天間飛行場内遺跡地図」(中間報告)にこうあります。
同基地内の地籍の5109筆中、宅地620筆、墓地542筆を確認。「これは2割が戦前、ここで人々が利用していたことになります」(宜野湾市役所文化課)
もう明らかです。米軍が沖縄戦で「銃剣とブルドーザー」で住民の土地を奪い、つくりあげたのが普天間などの米軍基地です。土地のない住民に、米軍が慈悲深く基地内の斜面を「墓地に」と提供したわけではないのです。
在沖米総領事が、一度でも普天間基地内を視察し、この亀甲墓群を目にし同基地のなりたちをひも解くなら今回の発言は違ったものになるはずです。
県民の声が聞こえます。「世界一危険と言ったのは元ラムズフェルド米国防長官だ。占領の歴史に目をつぶることは許されない」 (山本眞直)