2012年9月5日(水)
原告 「実態解明に全力」
自衛隊国民監視 差し止め訴訟 国民敵視を告発
本紙報道受け会見
自衛隊情報保全隊による、違法な国民監視活動がいまも続けられていることが本紙報道(4日付)で明らかになった問題で、自衛隊国民監視差し止め訴訟の原告・弁護団、支援する会は4日、仙台市内で記者会見し、控訴審で、監視の実態解明に全力をあげることを表明しました。
原告弁護団長の勅使河原安夫弁護士らは、「自衛隊に監視の中止を求めていたが、やはり継続していたことがハッキリした。国の控訴理由書は、“自衛隊の活動に支障をきたさないようにするため”と書いているが、『しんぶん赤旗』の報道を見るだけでも、沖縄県知事選やイスラム教徒など、自衛隊と全く関係ないことを監視している。高裁でも実質審議を求め、追及したい」と訴えました。
原告の後藤東陽氏らは「自衛隊は国民を敵視するようなことはするべきではない」「イスラム教徒の礼拝の監視は、信教の自由を侵害し、国際問題でもある」と批判しました。
同訴訟は、イラクへの自衛隊派遣に反対する活動を陸上自衛隊情報保全隊(当時)に監視された東北地方の市民107人が、監視差し止めと損害賠償を求めたもの。3月の仙台地裁判決は、差し止めを却下するとともに、原告5人に損害賠償を認め、原告、被告双方が控訴していました。控訴審第1回口頭弁論は9月21日に開かれます。