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2012年8月29日(水)

防衛省分析、米の報告を全面追認

オスプレイ事故 「安全保証」といえず

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 防衛省は28日、今年4月にアフリカのモロッコで発生した米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの墜落事故に関する分析評価報告書を公表しました。報告書はわずか9ページで、パイロットの「人的ミス」と結論づけた米海兵隊の調査報告書(17日公表)を全面的に追認する内容となりました。

 報告書は、事故原因について(1)(事故機を操縦していた)副操縦士が風の状況を把握しないまま、マニュアルで定められている相対風領域(危険な追い風)に入った(2)機首が下がった際に機体の姿勢を水平に保たなかった(3)マニュアルの制限を超えてナセル(回転翼がついている部分)を前方に傾けた(4)操縦かんを適切に調整しなかった―ことが複合的に重なり、「人的要因によるところが大きい」と断定しました。

 また、「機体自体が本件事故の要因となったとは認められない」としています。

 米海兵隊が今月17日に公表した調査報告書も、事故機は離陸後、180度のホバリング(空中停止)旋回を行った結果、追い風となったことに加え、パイロットがマニュアルに違反した操縦を行ったことによる「人的ミス」が墜落の原因だったと結論づけました。機体の整備に問題はないとしています。

 防衛省が米側から事故に関する情報を提供されたのは8月中旬。それから、わずか2週間程度での「分析評価」は、米側が公表した報告書を翻訳した以上のものではありません。「分析評価チーム」にはヘリ操縦士や航空工学の専門家なども参加していますが、そもそも日本側はオスプレイの技術的な知見を有していないのが実情です。

 森本敏防衛相は29、30両日にオスプレイが配備される沖縄県と、一時的に駐機している山口県を訪問して報告書の内容を説明する予定ですが、とうてい安全性が保証されたとはいえず、強い反発が予想されます。

 防衛省は6月に米フロリダ州で発生した事故の調査結果を30日にも米側から受け取り、検証した上で、9月上旬にもオスプレイ配備に関する日本側の見解を示す考えです。


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