「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年8月28日(火)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 「私にこの嫌疑をかけるなどということは不当でありましょう―あるいは過分の名誉と言ってもよいでしょう。共産主義者になるにしては、私には足りないことが多すぎます」。60年前、ドイツ文学の巨匠トーマス・マンが述べた言葉です▼マンはナチスとたたかうため米国に亡命し、戦後もとどまりました。しかし、1950年ごろから吹き荒れたマッカーシー上院議員らの「赤狩り」がマンの身にも及びます。東独を訪問したことで迫害を受け、米国を去りました▼紹介したのはオーストリアのザルツブルクで52年8月に行った講演の一節です。スターリン主義を批判する一方、共産主義の理念を純粋に実現することは「繰り返し人類に迫られるだろう」と共感を寄せました▼マッカーシズムの名で知られる反共主義はごく単純なデマで米国を席巻します。「国務省に205人の共産主義者がいる」。しかし、その人数は次々に変わり、名前も明らかにされません▼『マッカーシズム』の著者リチャード・ローピアは「多重虚偽」がまかり通ったのはマッカーシーの一言一句に反応する新聞記者がいたからだと書いています。「記者たちはベルの音にこたえるパブロフの犬のようにマッカーシーの召集に反応しはじめていた」と▼暴走する権力の陰には迎合するメディアがいます。消費税増税や環太平洋連携協定(TPP)参加で政府をけしかける。権力者の言葉をそのまま伝える。これではマッカーシズムを支えた新聞から進歩がありません。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって