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2012年8月24日(金)

五輪で計画 カヌー競技場建設やめて

希少な野鳥守れ 野鳥の会が要請

東京・江戸川区 葛西臨海公園

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(写真)都スポーツ振興局に要望書を手渡す日本野鳥の会のメンバー=22日、都庁

 日本野鳥の会(佐藤仁志理事長)は23日、希少な野鳥などが生息・飛来する葛西臨海公園(江戸川区)に、2020年夏季オリンピックの東京招致計画で、カヌー・スラローム競技会場を建設するのはやめてほしいと、東京招致委員会(理事長・竹田恒和日本オリンピック委員会会長)と石原慎太郎知事に要請しました。

 同公園の湿地と隣接する葛西海浜公園の干潟には、スズガモやカンムリカイツブリなど都のレッドリスト(保護上重要な野生生物種)に指定する野鳥が生息しています。ところが、東京招致委員会が今年2月、国際オリンピック委員会(IOC)に提出した開催計画では、人工的に設置された急流を下るカヌー・スラローム競技の会場を、観客席1万2000席の恒久施設として同公園に新設すると明記しました。失敗した16年招致時の計画でも同じ競技施設の建設を計画していました。

 要請で日本野鳥の会東京の中村一也代表らは、同公園には東京23区で絶滅危ぐ種に指定された動植物の多様な生態系が形成されており、落差数メートル、長さ400メートルもの競技施設、1万2000席の観客席を造れば豊かな自然環境と都民の憩いの場を壊すと指摘。「競技施設に適した場所は他にもある。五輪招致自体には反対しないが、葛西臨海公園に競技施設を造るのはやめてほしい」と訴えました。

 都スポーツ振興局の担当者は「競技施設のうちどの程度を常設化するかは検討中。今後も情報交換したい」と答えました。

 一行は都議会各会派にも要請。日本共産党都議団では、たぞえ民夫、あぜ上三和子両都議が応対しました。


 葛西臨海公園 1989年に開園。面積約80万平方メートル(東京ドームの17倍)で、広場、水族園、観覧車などがあり、年間300万人以上が訪れます。JR京葉線葛西臨海公園駅下車すぐ。

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