「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年8月23日(木)

定数削減法案審議入り

中身もやり方も無法

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 民主党は22日、野党の反対を押し切って選挙制度の法案審議入りを与党だけで強行しました。強引なやり方も、民意をゆがめる法案の中身も許されるものではありません。


暴挙を重ねる与党

 選挙制度は議会制民主主義の土台であり、各党合意で進めるのが当然のルールです。民主党は各党合意の形成に力を尽くすどころか、全野党の反対を無視して党利党略を押し付ける暴挙を重ねてきました。

 各党の合意形成のために設けられた各党協議会では16回の会合が開かれ、民意をゆがめる小選挙区比例代表並立制の問題点が民主党を除く各党から出され、抜本改革が必要との認識で共通していました。

 ところが、民主党は小選挙区制の固定化と「定数80削減」に固執し、6月18日の書記局長・幹事長会談で、「政権与党として法案を提出する」(輿石東幹事長)と一方的に協議打ち切りを表明しました。続いて、定数を小選挙区0増5減と比例40削減、一部に連用制を導入し、さらに35議席を削減する定数80削減法案を一方的に衆院に提出しました。

 そのうえ、衆院議院運営委員会で法案の特別委員会付託を野党の反対を押し切って強行。22日審議入りも野党の反対を押し切って強行する暴挙に出ました。

 4度にわたり暴挙を重ねるやり方に野党がこぞって反対したのは当然で、批判されるべきは与党の方です。

 民主党が暴挙を重ねるのは、国民に消費税増税を押し付ける「一体改革」の柱に“身を切る改革”として定数削減を位置づけているからです。法案提出は、「一体改革」法案成立の3党合意の3日後。委員会付託強行は増税法案の本会議採決の直前でした。

 特別委理事懇で、民主党は「一体改革を実現していく上で(政治家が『身を切る』改革を)やらないといけない」と、あけすけに語っています。

 過半数の反対世論を踏みにじって消費税大増税を強行したうえに、民意を削る定数削減の押し付けなど許されません。

違憲状態解消せず

 法案の内容も重大です。

 小選挙区の0増5減によって1票の格差の違憲状態を是正するとしていますが、2009年総選挙時の最大2・3倍の格差を1・8倍程度に抑えるにすぎません。

 民主党は当初、格差是正のために全都道府県の小選挙区の区割りを見直す必要があるとして21増21減などを主張していました。今回の0増5減は、法案成立を急ぐ民主党が、自民党が主張していた見直し案を丸のみしたものです。次回総選挙での格差を「2倍未満」に抑えるための一時しのぎの取り繕い策にすぎず、違憲状態を解消する抜本是正にはなりえません。

 しかも民主党案は、比例定数を40削減するため、衆院定数に占める小選挙区の比重は現行の62・5%から67・8%に上昇。さらに35削減を仮に全部比例で行えば、小選挙区の比率は7割を超え、単独小選挙区制に限りなく近づくことになります。これまで4割台の得票で7割もの議席を占有するなど大政党有利に民意をゆがめる小選挙区の欠陥をいっそう拡大し、大多数の民意を切り捨てるものになります。

 主権者である国民の多様な意見を正確に反映することが選挙制度の大原則であり、民主党案はこれに真っ向から逆らうものです。こんな法案の審議入り強行に反対することこそ、国民の大多数の立場に立った道です。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって