「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年8月23日(木)

主張

食中毒発生

製造段階での汚染責任追及を

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 まだまだ暑い季節が続いているなか、各地で食中毒の発生が伝えられています。

 北海道では白菜の浅漬けが原因になったとみられる食中毒で高齢者や幼い子どもたちに被害がでており、亡くなった人もでています。栃木県では仕出し弁当が原因とみられる食中毒で、スポーツの大会に参加した中学生など400人近くが下痢や腹痛を訴えました。

 食中毒は家庭での予防も重要ですが、製造段階での汚染は家庭では防ぎきれません。保健所など行政当局は原因と責任を徹底的に究明し、二度と繰り返さない万全の対策を講ずるべきです。

製造業者と行政の責任

 北海道で起きた白菜の浅漬けが原因になったとみられる食中毒では7人が死亡し、さらに被害が拡大しています。白菜の浅漬けといえば、家庭でも食堂などでも、ごく一般的に食べられている食材です。浅漬けですから、家庭で煮たり焼いたりして食中毒菌を殺すというわけにはいきません。食中毒菌の汚染を防ぐ対策をおこたった、浅漬け製造業者の責任はきわめて重大です。

 犠牲者の大半は高齢者施設の入居者です。ただでさえ体力が弱っているのに、死亡率の高い強い食中毒菌に襲われたのではたまりません。浅漬けを生産した業者は、殺菌は「大丈夫だろう」と考えていたという報道もありますが、それが本当なら、責任がきびしく追及されるべきです。

 食中毒を引き起こす細菌にはいろいろな菌がありますが、北海道の場合は毒性の強さからも、「O(オー)157」が原因になったとみられます。腸管出血性大腸菌の一種で、牛レバーの生食禁止でも問題になった細菌です。加熱によって死滅しますが、生野菜や漬物の場合はよく洗い、殺菌するしか食中毒を予防する方法はありません。処理をおこたったとすればまさに犯罪です。

 北海道庁などは原因になったとみられる浅漬けを製造した業者の営業を禁止するとともに、道内の漬物業者の630施設へも立ち入り調査などを行っています。関係者の健康管理とともに、材料となる野菜の洗浄・殺菌や調理器具の衛生管理など、見落としがなかったか、徹底した調査が求められます。全国でも注意が必要です。

 保健所など行政の対応にも問題が指摘されています。食中毒の発生直後から浅漬けが原因として指摘されていたのに、公表が5日後になったことなどです。もともと保健所の数が大幅に減らされ、食品安全行政の後退が指摘されてきました。かけがえのない命が失われている以上、行政の責任についてもメスが入れられるべきです。

付けず増やさず殺す

 食中毒予防の3原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」です。食品を扱う業者はもちろん家庭でも食中毒を防ぐ対策が求められるのは当然です。

 暑い盛りは食べ物のいたみやすい季節でもあります。家庭でもできるだけ新鮮なものを購入し、冷蔵庫などで保管し、調理の際はまな板や包丁をよく消毒するなど心配りが必要です。古くなったものや少しでも異常を感じたものは口にしないことです。

 命の源となる食事で命を失うことがあっては取り返しがつかないことを、肝に銘じるべきです。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって