2012年8月18日(土)
きょうの潮流
黄色い皮をむくと、白い果実にほのかな甘い香り。なつかしい。先ごろ、近所の農家の庭先で買ったマクワウリをいただきました▼子どものころはとびきりのごちそうだった、と覚えています。プリンスメロンなどが出回るとともに、あまり見かけなくなって久しい。しかし、こだわって栽培する農家が近くにもありました▼マクワウリは、栽培用のメロンの一種です。メロンは、アフリカ・中近東あたりで生まれ、東西に枝分かれしたようです。ヨーロッパ系と、東洋系のマクワウリやシロウリ。東洋系が中国から日本列島に伝わったのは、縄文時代の終わりごろとみられます▼なかでも甘みにすぐれるマクワウリは、時が下るにつれ、たくさん栽培されます。「マクワウリ」の名は、室町時代についたそうです。おいしいウリがとれた、岐阜県の真桑にちなむ、といわれます▼ところで、はたと考えました。メロンは野菜か果物か。マクワウリは野菜のようですが、皮に網目、甘みもたっぷりのマスクメロンは果物と思えます。農水省の解説を読みました。な〜んだ。野菜と果物の違いを、はっきりとは説明できないというのですから▼野菜の一応の目安を記しています。栽培される。おかずである。コンニャクのような加工を前提としない。草である。なお、イチゴ、メロン、スイカなど野菜にあたるが、人が果実のように食べるので「果実的野菜」とみなす―。なんだかマクワウリに、“人間はなんでも区別したがる”と笑われているようで。